
香美市・大豊町間の奥神賀山・大ボシ山、鉢ヶ森一帯の稜線部に大規模風力発電計画(※)が浮上し、環境アセスメント配慮書手続きが始まっている問題で、計画地の下流域にあたる香北町の住民が12月3日、高知県と意見交換しました。
住民からは「物部川北岸で懸命に暮らす住民の『命の水』の水源を大規模に開発して巨大な風車を建てる計画であり、影響は広範囲に及ぶ。にもかかわらず、ごく一部でしか説明会がされておらず住民に情報が知らされない。これでは意見をだせない」という指摘があり、アセスメント手続きを担当する県自然共生課は「住民の合意がないまま強行することは県も国も望んでない。地域に歓迎されない発電所で地域が発展することにはならない。そこは気をつけるように企業に言っていく。指摘も踏まえて知事意見を付していく」と回答しました。
この他にmo、「物部川の治水や濁水は高知県あげての課題であり、山を壊すべきではない」、「現地には貴重なブナの自然林が残っている。高板山や奥神賀山一帯は神域であり住民が守ってきた。文化的にも手を入れてはいけない場所だ」、「風車の塗料のPFASが水源に与える影響が心配」、「梶ヶ森山頂からの南面の眺望が一面の風車になる。景観が大無し」など多くの意見が出されました。
香北町谷相に移住し子育てをしている小野麻里さんの話 「私の住んでいるところは周囲が棚田でコメが美味しい。今年から隣のおじいさんに教えてもらってコメを作っている。目先の利益を求めると、素晴らしい地域の可能性を奪ってしまう。これからは利益を求めないことが利益、価値になっていくと思う。水が汚れたら元には戻らない。香北だけでなく全国の田舎が過疎地だからと大企業に馬鹿にされているように思う。住民が声をあげて美しいものをのこしたい」(高知民報)
※株式会社GF(徳島県阿南市)が香美市・大豊町間の稜線に出力15万4800キロワット(四国最大級)、4300キロワット級の巨大風車を最大36基建てる計画。