※本ページに掲載している面談の記録は、内容について香美市にご確認いただいた上で、情報公開の許可を正式に得て掲載しているものです。

【全文文字起こし】嶺北香美ウィンドファーム事業をめぐる香美市長と市民グループ「たまもる」の面談記録

rectangle_large_type_2_1e0b84f94e3ff7e8425a550b6c89be72


広吉敦子: (市長への質問書を見せながら)送りました「市長への質問書」ですが。

市長: そうですね。これについて説明を今からしますが、まず、市のスタンスと、政治家個人の私のスタンスはちょっと違っていて、私はもうこないだの自治会長会でも、明確に「反対です」と言わせていただきましたが、政治家としての依光晃一郎のスタンスは「反対」なんですが、行政としての手続きとは別、として考えていただければという風に思います。感情論で「お前嫌いだから反対だ」っていうことは行政は言えないので、この質問に沿って、どういう形で反対するのかっていうことを説明させていただきたいという風に思います。

 

1. NO風力発電宣言に関する質問

1.1 現時点での調査状況と見解について


[0:03:20]

副市長: 1番の「NO風力発電宣言」ですが、まず今どういう状況かというと、(事業者から)配慮書というものが出てきて、それに対して、(市の)意見書を知事宛に出しているという状況です。それがお手元にあって、それを見ていただくと、だいたい気になる項目は押さえて、ここをもっと配慮すべきじゃないのか、という聞き方をしています。7項目立てていて、水環境土砂災害の危険性、めくっていただいて、3番が流域の生態系景観、5番目に環境対策の責任担保って書いていますけど、もし途中で災害にあったとか、あるいは倒産した場合に責任を取るのは誰ですかというところを尋ねています。6番目が、今回の話でもあるんですけれど、市民とか利害関係者への説明をしてくださいと。きちんと説明をして、十分説明をした上で「理解を得てください」という書き方をしています。7番目が要望書、これは、皆さんからいただいた要望書も含めて、市としてもらったものは全部つけて、県知事を経由して事業者に送っているという状況です。

 この後なんですけれど、方法書自体は多分1年から2年かかるんじゃないか、と事業者は言っていますが、今の段階って「最大限これくらいの範囲で、最大36基の風車を置きます」っていうだけなんですよね。そこからどれくらい絞り込んだのか、この間、事業者でも検討をしているはずなので、それは途中段階で少し具体的なことを示してくれませんか、ってお願いを市としてもしています。有志の自治会長さんから要望書が出されていて、それをさらに、市としてはこういうことが聞きたいですって咀嚼をした上で、先日GFに送っています。その中に、もうちょっと早く(具体的な事業計画の案を)出せませんかね、っていうことを書いている、という状況です。

 1番の質問にお答えするとすると、今の時点では、そういう状況なので、具体の調査はしていないです。ただ、事業者には、「早く出してね、その上で調査します」っていうことになっています。

1.2 (仮)NO宣言までの想定期間


[0:06:07]

副市長: 2番目の「NO宣言までの想定期間」なんですが、最初市長からも申し上げたように、反対をする以上は、特に法的なプロセスの中で反対と言う以上は、ちゃんと理由がいるんですね。それ(行政として反対すること)と、この「NO宣言」っていうのは多分違うと思うので。最初に市長から申し上げた、「政治家としての市長が反対」っていうスタンスは言えるんですけど、行政として反対をする、例えばアセスの1つのプロセスで反対をするとか、保安林解除で反対をするっていう場合には理由がいるので、根拠付けが必要だと思っています。なので、(「NO宣言」と行政の対応とは、)別々だと思ってもらったらいいのかなと思います。

鎌田誠市: 市長が政治家として言うことはできるっていうことですよね。

副市長: できると思います。もうすでに言っています。

市長: ただですよ。分かりやすく言うと自分が市長を、次、どうなるか分からないんで、状況もお聞きしていると思うんで、だから市長が替わったら、じゃあどうなるんだって話になるじゃないですか。3月選挙なので。だから自分のスタンスはそうやけど、例えば賛成の市長が誕生したとしての行政手続きとしては、手続き上こう残しておくので、それやったら大丈夫っていう風に思ってもらったら。

鎌田誠市: 業者さんは、市長が反対したら、まあ、さすがにもう続けられないみたいなことおっしゃっていたんですけど。

市長: だからその時の(市長の考え方)ですよね。(今は)まだ事業着手に至っていないので。だから、そこの市長がどうかっていうところの方が大事やと思います。

広吉敦子: 群馬の水上とか、早い時期に、反対って町長が言って。

市長: それは強い市町村長さんだったのじゃないですかね、安定した政権のね。

副市長: なので、法律のプロセスと、市長として宣言するっていうのは別ものだと思っていただいたら良いと思います。

1.3 住民の声とNO宣言の可能性


[0:08:20]

副市長: 住民の声とこの「宣言」の可能性なんですけど、これは住民の声が大きければ大きいほどいいのかっていうわけではなくて、ある程度声があって(、市長がすでに)「反対です」と表明しているわけですから、これ以上(の住民の声は)いらないかなと思います。

1.4 他のNO宣言の可能性


[0:08:37]

副市長: 「他のNO宣言の可能性」。論理的裏付けが未完了の時点では、別ものだと思っていただいたら。(行政が)論理的な裏付けをして、法律のプロセスとして反対、異議を申し立てるっていうものと、「反対ですよ」って先に言っちゃう、宣言をするっていうのは違うものだと思っています。

鎌田誠市: じゃあ、そしたら例えば、業者が出してきた書類とかで、あまりにも信頼性がないなということで、この業者にやってもらうことは反対だ、みたいな、それは、そういうことをもしやるとしたら、市としてはそういう形のも難しいんですか?

副市長: それは市の行政のプロセスの中でやることなので、アセスメントの手続きの中で出てきたものに納得できないのであれば、これは(市の行政として)反対ですねっていうことになっていくと。

市長: それを今やろうとしているんですよ。業者側からの意見を、論理で来るから論理で返す。だからこういう理由で反対します。これは市長が替わろうが替わるまいが、行政の手続き上のことなので変わらないんですけど。ただ、うち(市)は(具体的な事業計画の案が出てきていないので、)今のところ何に対して反対するかっていうところが明確にまだ出せない状況なので。

 

2. 保安林解除禁止条例の制定について

2.1 条例制定の手続きとスケジュール


[0:10:07]

副市長: この「保安林解除禁止条例」というのは、保安林の指定解除は今回の場合は県知事の権限なんですね。県知事を市の条例で縛ることはできないので、市がこういう条例は多分作れないと思うんですよね。禁止するって言えない立場なので。そこで、県知事が解除をするにあたって、市町村長とか利害関係者、土地を持っていらっしゃる方とかに意見を聞くので、その時に(市として)「反対です」って表明すると。

市長: その権限っていうのは多分法律に基づいたもので、条例っていうのは法律に勝てないんですよ。憲法があって法律があって条例があってみたいなことなので、なんぼ条例作っても法には勝てないです。法っていうのはまあ国会で決めることなので。ということでご理解いただければ。

【後日の訂正と補足】保安林解除の権限について

後日、副市長より、この面談での説明内容について、訂正のご連絡をいただきました。

面談の時点では、保安林の解除権限者は「高知県知事」との説明でしたが、市が県の担当課に正式に確認したところ、今回の計画地は国が定める「重要流域」に該当するため、最終的な解除権限者は「農林水産大臣」であることが判明した、とのことです。

ただし、大臣への申請は県知事を経由して行われ、その過程で県が内容を審査することに変わりはないそうです。

この具体的な手続きの流れについては、国の通達で定められています。以下のフロー図を、ご参照ください。

林野庁:保安林の指定の解除に係る事務手続について(PDF p.20下段)

保安林解除フロー

 

3. 保安林解除に関する具体的な質問

3.1 保安林解除の条件と手続き


[0:11:07]

副市長: これはさっきの保安林解除の話ですね。必要な条件手続きは、まず保安林の指定解除は知事がやるので、そのプロセスとして、知事から市町村長と利害関係者に意見を聞かれると。その時に反対、異議ありっていうのを表明するということになっていきます。当然知事は知事として、保安林の解除の基準っていうのがあるんですね、ここにマニュアル(保安林の指定解除事務等マニュアル(風力編)林野庁治山課)がありますけれど、機能を失っていないかとか、調整池とかでちゃんとカバーできているかとかですね。そういったところを判断して、知事が解除すべきかどうかを決めるので、知事の判断というものも当然あるかなと思います。

小野麻里: 県知事って、この事業についてどれくらい知っているんですかね。

副市長: 県議会でも質問が出て答弁もされていたので、当然ご存じです。反対運動が起こっていることもご存じです。

小野麻里: 問題が出てきていることも(知っているんですね)。

副市長: 技術的にどうなのかっていうところまで、どれくらい(詳しく)ご存知かは分からないです。

小野麻里: 私たち、環境課に行ったり、香美市とは結構やりとりしているけど、1回意見交換したくらいでそこまで県とやりとりしていなくて、こういうもの(国土研究会による地質調査報告書)を共有したりっていうのも(した方が良いでしょうか?)

副市長: (県の)担当課に送ったらいいんじゃないですか?持って行ってもいいですし。

小野麻里: はい。結局決定するのは県っていうことですか?

副市長: 最後はね。ただ、市町村長が異議ありと言っている中で解除を決定できるか、という問題はあるんですよね。市町村長の「異議あり」に、ちゃんと理由があって根拠があってだと、なかなか解除できないんじゃないかなって思いますけどね。そのあたりは、県の担当課と直接私が話をしたわけではないので。(環境課長をみて)(県の担当課とは話を)しています?

環境課長: そうですね。たしかに、おっしゃるとおりだと思います。私たちが皆さん方のご意見を踏まえて、(保安林解除に)同意できませんよっていう場合に、県が地元の意見、住民のご意見を無視して解除を許可するか、といえば、そこは多分実情にそぐわないかな、とは思っています。なので、そういったところも、県の許認可を出す治山林道課とか、林業事務所にもお聞き合わせするのも1つの手かなとは思います。

小野麻里: どれくらいの、今、依光さん(環境課長)とやっているくらいのことを、県にも呼びかけるくらいのほうがいいんですかね。

環境課長: そうですね。あの多分事業者の方もそういった関係機関とは調整を取っていますし、おそらく審査会の時にも、治山林道課さんから結構厳しいご意見を保安林解除に関して頂戴はしていると思うので、そういったところで一定の状況も把握はしてくださっていると思います。現状を訴えるっていうのも1つの手かなとは思いますよ。

3.2  1号ポールの契約内容


[0:14:50]

副市長: 風況調査、どんな風が吹いているのかというのを事業者さんが調査をしています。1号(ポール)というのは、市が持っている山を、使わせてあげて調査をされている場所だと思います。これは、元に戻してねという条件で貸している、というか使わせているものですので、貸し借り関係の契約みたいなものはないんですよね。使用許可をする、ただし元に戻してねっていう条件で貸しているものですので、(市が出した市有林の)使用許可の詳細は、開示はできます。今ちょっと手元にはないんですが。

 これには、「事業者に加担していることになるんじゃないか?」というお尋ねもあるんですけど、そのつもりはないです。むしろ、ちゃんと風況を調べて、本当に、あなた方の事業の採算に合うような風が吹いているのかっていうのをどうぞ調べてくださいと。ただ、調査したところは元に戻して返してくださいね(という条件で使わせている)っていうことですので。

広吉敦子: その開示っていうのはどういう(手続きですか)?

副市長: 文書の開示請求という手続きがあります。

広吉敦子: 開示請求をすれば?

副市長: (文書を)出せます。

広吉敦子: じゃあちょっとやります。

3.3  3号・4号ポールの設置許可権限


[0:16:07]

環境課長: 3号については香美市(註:後日確認したところ、香美市と大豊町にまたがる場所)、4号は大豊町側になっています。

環境課長: 早くて令和8年度、9年度ぐらいに設置をすると聞いているんですけど、3号ポールについては、国有林になっていますので、(事業者が)物部にある高知中部森林管理署さんの方から土地をお借りして申請をする、という流れになります。その際には、関係自治体、香美市の意見を添付して高知中部森林管理署に提出する必要があると思うので、その流れについては1号ポールと同じような形になると思います。その風況を調べるために、事業が成立するかしないかっていうのを調査するための申請なので、おそらく現状で言うと、(市としては)「意見はない」というような方向で出すんじゃないかなという想定です。

環境課長: 大豊町さんの方は4号ポールになっているので、そこも国有林になっていると聞いています。

副市長: 1号とは(市の)立場が違うってことですね。関わり方が違う。

環境課長: そうですね。

3.4 公益的機能と再エネ促進の両立


[0:17:32]

副市長: 「公益的機能を保持できるか」なんですけど、この保安林は水源かん養保安林ですので、水源としての機能が保持できるかです。それはこの解除のマニュアルとかにも書いてあるんですけど、ちゃんと機能は保持しなさいよ、あるいは代替機能を設けなさいよっていう決まりになっていますので、当然それに則ってやられると思いますし、最初に紹介した(市の)意見書でもそこ大丈夫?っていうのは聞いています。(今後)どんな計画が出てくるかによると思う。面積をひょっとすると縮小するかもしらん、何か代替策として例えば調整池みたいなものを作って代替しますっていう計画が出てくるかもしらん。それで本当に(保安林の機能を)代替できるのかなっていうのは(市としても)チェックする必要があると思っています。それで代替できていないということであれば、その保安林の解除には異議ありです、ということになると。

小野麻里: それは市が知事に言って。

副市長: 知事は知事で、これがちゃんと機能が保持できているかっていうのを判断した上で、解除するかどうかを決めるので。

小野麻里: ここでそういう専門家の人を呼んで、本当に大丈夫かっていうのを調べるっていうことですか、この段階で?

副市長: 市としてはその段階か、(事業者が)早く(計画を)出してくれるんだったら、もっと手前でやりたいです。そんなにすぐわからない(=市として計画の是非を判断できない)と思うんですね。「じゃあ1ヶ月で答え出してください」って言われても難しいと思うので。県は県で、当然林業とか森林のプロが(職員に)いっぱいいますけれど、県としても技術的にどうなのかっていうのはチェックはするのだと思います。

鎌田誠市: まだ、専門家に調べてもらったりしていないから、要は分からない。

副市長: 分からないです。どんな計画か分からないので。

鎌田誠市: 計画、ああ、その方法書が出ないとってことですか?具体的な。

副市長: 最終的には方法書なんですけど、その手前で例えばエリアはこれくらいですよとか、調整池で対応しますとかいうのが出てくれば、そこから検討が始められる、と。

鎌田誠市: そういったものも、計画としてもまだ業者から出てきていないってことなんですね。

 

早川ユミ: 風況ポールの1号と5号に行ってみたんですけども、木が切られて、準備万端っていう搬入路もできて、それ元に戻せるんですか?

副市長: (市として市有林の使用許可の中で求めているのは、)「木を植えて元に戻せ」ですけどね。

環境課長: 現状復旧が基本にはなっているかと思うんですけど、伐採した道路のところに新たな植林っていうことは、前例もそういうことがあるって聞いているので、それ(植林)をまたするような方向になると思います。新たな木を植えて、元に戻していくっていう処置をすると聞いています。

鎌田誠市: 何十年かかかって元に戻すということですよね。

環境課長: 風況ポールのところですよね。伐採したところ。すぐには大きな木が植えられるわけではないので。

市長: でっかい木を植えてくださいっていうね、植木屋さんに言ってっていう感じでは、多分やってないとは思いますけど。まあ、そこは明確じゃないですね。

環境課長: 明確じゃないですね。

村上千世: この間、先生たちが来た時に、もう木を切ってしまったら、その後のその下の、地面のその道路、作業道を通すために削りますよね。削ったりとか、その両脇とかも、全部、露出するわけで、それはすごく長年かけて、ごく薄い、たった10cmのやつがものすごい長い年月かけて地層をつくっているというのがあって、

早川ユミ: 1万年。

市長: えー!すごい。

村上千世: 1万年、うん。それをだからその容易に削って、じゃあ、ダメだったらまた元に戻したらいいんですよって言われても、ちょっと納得できないかなっていうのは感じているところなんですけど。

市長: そこまでうちも許可出す時にやっていなくって、もう機械的な、まあ情報開示していただいたらわかりますけど、(使用を許可するときに、現状復旧の内容についてまでは)そこまでは考えてなかったというふうに思います。

村上千世: そうですね。だから街中で建物を建てるっていう時と、ちょっとやっぱり、ちょっとというかだいぶ、考え方が変わってくるかなとは思います。

村上千世: だからまあその、工事が本格的に始まらなくてもそういうことが始まっているっていうことを私たちも分かっていなかったですし、初めてこの先生たちが、見に行ってくれたので、私も教えていただいてわかったことなので、それはその、多分みんなそんなの、認識として誰も、よほどその山に日々行っている専門家の人しかこんなことは知らなかったことだと思うので、だからそれに関しては今からでも追いかけてちょっと、気にかけていただけたらいいなと思います。

市長: わかりました。僕も現場に行ってないんですよね。ちょっとそこは把握したいと思います。

村上千世: 私、毎年年に2回、田役っていうことで、山の中に入って行くんですけど、もう植林ばっかりになっているっていう時点で、だいぶこの保水力っていうのがなくなっているんだなっていうのが、目に見えて、沢のところがえぐれているんですね。だから、前は広葉樹が上の方まで植わっていて、炭を焼いていたんですね、だから、スポンジみたいにして、山の土壌に全部水が残っていたんですけど、そしてその棚田も上の方まであったので、保水(力)も上まであったんですけど、それが全部なくなっているのですね、今。だから雨が降ったら、ザバーって流れてきて、その後水が欲しい時にもう来ないっていうことがもうすでに起こってきている状態で、それがもっと進むんじゃないかっていうのはすごく懸念しています。

市長: 保水力の話はね、そうやと思いますし、米不足が今言われている中で、棚田が守ってきたそういう中山間地域の農業のあり方みたいなところも今ちょうど言われているところなので。自分もね、集落っていうのはすごく思い入れがあるので。ただ、地元の方が良かれと思ってやってきたことでもあるので、自然を破壊しようと思って針葉樹を植えてきたわけでもないので、なかなかここは難しいところではあるんですけどね。

村上千世: 1本植えたら1000円もらえたっていうので、別に子孫のためにやったわけじゃないよって言われてガーンってなったんですけど。

市長: 確かにね、小さい子が背負ってやってっていう思い出を持っている人もいっぱいますしね。

 

4. 尾根の造成に関する専門家の意見

4.1 市長の見解


[0:25:00]

副市長: この林業関係者からの「尾根は削ってはいけない」っていう意見は、市には来ていないんですけど、どんなところで出てきたんですか?

井澤みく: これは、ある自治会長さんから聞いた話なんですけど、その方が林業関係者の方と話した時に、多分林業の関係者の方って作業道とかができたら、色々作業もしやすいし、メリットとしてあると思うけど、作業道はいいけどやっぱり尾根は削っちゃいけないよね、みたいな話をしたらしくって、それで聞いてみたいなと思いました。

市長: それはちょっと自分も、聞いてはいない話ですけど、道をつけるっていうこと自体がリスクがあることはもう分かっていて、どう道をつけるかによる。水の流れをしっかり把握した上で林道をつけないと、大雨で崩れてしまう林道になったりとか。山の形、構造、水の流れを把握した上でやる林道が一番いいんだってことは分かるし、大きいものもできるだけ作らないこともだと思うんですけど。そういうような形では自分も理解はしていますけど、ただ実際、事業として林業をやられている方にとっては、そこはなかなか、山に絶対道つけるなっていうのは言えんとこなので、自分の立場としては苦しいところではあるんですけど。林道整備にあたっては、技術的に、勉強会をしているとか、結局道つけてもすぐに崩れてしまう道をつけるっていうのは、お金の無駄というか、頑丈で一定自然環境にも配慮してっていう、そういう道を作らないといかんということで、林業関係者さんも勉強しているっていうことですね。

 そういう技術革新で、今航空レーザー測量っていう、赤色立体図っていう木のない状態の、裸の山の地形図っていうのが出ているので、じゃあ(道を)どうつけたらいいとか(がわかります)。ただ、難しいのは所有者です。しっかり全部の所有者の合意が得られたらこう道を付けられるってことはあるんですけど、(所有者が)ここには入ったらダメっていうところで無理に道を曲げてしまうと急な形になるし、ちょっとそこは難しい問題だと聞きますけどね。林業者もできるだけ、当然ね、林業やられている方、山大好きな人が多いので、そこは把握されているということなので、ちょっとこの辺は自分も意識的に勉強したいなと思っています。また林業をやられている方の話も聞いてみたいとは思います。

鎌田誠市: 漠然となんですけれど、自分がこれ聞いて思ったのは、尾根を削ると、山だけじゃなくずっと下の方まで影響が大きいっていう意味なのかなと思ったんですけど。

副市長: そうですね。

市長: そうだと思います。

副市長: 稜線部に風車置くんでしょう、大丈夫ですか?っていうのは、市の意見書の中でも指摘をしています。水環境の4点目ですね。(風車を)作るときと、風車を回して稼いでいる時と、解体して片付けるまで、20年使うとしても、前後5年5年だとして30年は少なくとも維持しなきゃいけないですね。結構大変なので、本当に大丈夫なのかなという目では見ています。

※以下は香美市が高知県知事宛に提出した意見書からの引用です。
出典:香美市「意見書」PDF ・本事業は、流域の最上流にあたる稜線部に風車を配置する計画となっており、風車を搬入・設置するためには、既存の市道・林道を拡幅するとともに、新たに稜線まで道路を新設し、稜線部分に新たに土地を造成する必要がある。また、これらの道路や施設等の土地は、工事期間から始まり、20年間とされている収益期間を経て、収益期間後に施設等を撤去して事業が終了するまでの間、長期間にわたって維持・管理する必要がある。 …

 

5.1 風力発電計画の水源への影響評価


[0:28:50]

副市長: これも意見書で指摘している通りです。影響はあるのではないかと思っています。まだ計画が出てこないので評価のしようがないのですけれど、ちゃんと配慮してくださいよね、っていうのは今の時点で言っています。

※以下は香美市が高知県知事宛に提出した意見書からの引用です。
出典:香美市「意見書」PDF 1. 水環境について
  • 本事業が(表流水及び地下水の)水質及び水量、水底の底質に及ぼす影響について、計画段階配慮事項とし、十分に配慮していただきたい。

    <理由>

  • 本事業の事業区域の下流は市民の飲料水・生活用水となる簡易水道の水源地であり、山間部の農地にも農業用水を供給している。

  • 事業区域を含む山林では、地形が急峻で地盤が軟弱である一方、森林の維持・保全や林業の施業のため、災害復旧を含め、本市および土地所有者、森林組合等が多額の費用と労力をかけて、林道及び作業道の維持・管理を行っている。

  • また、事業区域を含む物部川流域全体では、近年、森林の荒廃やシカ食害等による濁水が問題となっており、流域の3市(南国市、香南市、香美市)にまたがる平野部の農地の農業用水や、物部川の水棲生物の生息環境にまで影響が及んでいる。このため、関係団体が物部川濁水対策協議会を構成し、対策を行っているところである。

  • 本事業は、流域の最上流にあたる稜線部に風車を配置する計画となっており、風車を搬入・設置するためには、既存の市道・林道を拡幅するとともに、新たに稜線まで道路を新設し、稜線部分に新たに土地を造成する必要がある。また、これらの道路や施設等の土地は、工事期間から始まり、20年間とされている収益期間を経て、収益期間後に施設等を撤去して事業が終了するまでの間、長期間にわたって維持・管理する必要がある。

  • このため、事業期間を通じて、降雨時には、これら本事業によって改変された土地を起点として下流に排水が流入し、流路も変化することとなるため、事業区域のみならず、下流の物部川流域の水環境の水質及び水量に大きな影響を及ぼすこととなる。

  • よって、計画段階から水環境に十分配慮した事業計画を立案するべきである。

 

6. 作業道造成による水源への懸念

6.1 現状の作業道の状態と水源への懸念

大規模な工事による土砂流出や水質汚濁が懸念されますが、市としてこの影響をどのように評価していますか?


[0:29:10]

副市長: 作業道は、土砂流出、水質汚濁が懸念されます。確かにそうだと思いますので、ちゃんと配慮してくださいっていうのを今の段階では(市の意見書で)言っている。生態系、農業用水の話もそうなんですけれど。2ページ目の3番です。

※以下は香美市が高知県知事宛に提出した意見書からの引用です。
出典:香美市「意見書」PDF 3. 物部川流域の生態系について
  • 事業区域から下流の物部川流域の生態系について、計画段階配慮事項の対象とし、十分に配慮していただきたい。

    <理由>

  • (1. 水環境の項で述べたように、)本事業では、稜線部の風車やそこに至る道路のために、長期にわたって土地の改変を行い、維持・管理する必要がある。

  • このため、事業期間を通じて、降雨時には、本事業によって改変された土地を起点として下流に濁水が流入し、事業区域周辺だけでなく物部川まで流下する可能性があり、動植物に影響を与える懸念がある。

  • よって、物部川流域全体の生態系についても計画段階配慮事項の対象とするべきである。

 

7. 作業道整備と農地改変に関する詳細な質問

7.1 圃場整備済み農地の道路拡張について

このような既に整備された農地を削って道路を拡張することについて、市としてどのような見解をお持ちですか?


[0:29:40]

副市長: 作業道整備と農地改変に関する質問なんですけど、入り口にあたる永野では圃場整備がされていますよねと。そこに、大きな道路を通すのはいいんですかというお尋ねだと思います。まず、農業者の方の反対意見というのも伺ってはいます。農業委員会の方にも届いているところですし。あと今ある道路が市道、市の道路なんですよね。これを拡幅するっていうのは、市として理由がないので、拡幅をする予定はないです。あと、事業者が「じゃあ、こちらで拡幅しますんで補助してください」って言われても、補助するつもりもないです。これは3月議会(の一般質問)で聞かれていまして、答弁しています。

鎌田誠市: それを聞いたら、わかるってことですよね。

副市長: そうですね、はい。

鎌田誠市: わかりました、聞いてみます。

副市長: 西村剛治議員の質疑だったと思います。

令和7年香美市議会定例会3月定例会議 ー 3月13日 一般質問 西村剛治議員 32分50秒~

 

8. 残土処分の問題

8.1 処分場所と方法


[0:30:54]

副市長: 「残土処分」についても、それこそまだ全然計画も出てきていないので、どこに処分するつもりなのかっていうのも含めてまだ分からないんですが、当然、土場を作るわけですから影響は出てくる。下流に土砂も流出するでしょうし。土場を作るんだったら調整池なんかも当然必要でしょうし、それで十分なのかっていう検証はしなきゃいけないということです。

副市長: あんまり今の時点でこうだって言えないというのが、だいたい聞いていただいてお分かりいただけたかなと思うんですけど、一応、だいたいこちらで関心を持って(意見書で)指摘をしているところは、ほぼカバーできているのかな、と思います。

 

 

意見交換

広吉敦子: ひとつちょっと聞きたいんですけど、よくこの風力発電の話を近所の方とかとすると、物部町押谷とかあっちの方だと、直接的な影響はないだろうっていうふうに言われるんですけど、私はこれを知れば知るほど、その物部川流域、全体に結構影響があるのではないか、はっきりしたことは今わからないとは思うんですけど、市としては、どの辺ぐらいまでの影響が出る可能性があるかっていうふうに考えられているか、ちょっと聞きたいなと思います。

副市長: 水環境の話とか土砂災害は、事業箇所の下流だけです。川を挟んで反対側の斜面には影響はないので、土砂災害に関しては関係ないと言えます。景観の話は見えるところ全部です。あと、生態系の話は、そこから下流の物部川全部ってことになりますので、それぞれ影響範囲が違ってくる(と思います)。

市長: いろんなイメージ的なところもありますよね。香美市は、風力発電ができた町ですとか。昔はね、原発の町とかっていうイメージがあったんで、それが(今は)よくわからないですよね。自然エネルギーの町っていうふうになるのか、自然破壊の町になるのかっていうところもありますけど、自分はイメージも大事かなとは思っているので、丁寧にやりたいなとは思っていますけど。

 

井澤みく: 物部川の濁水会議に参加されていると思うんですけど、そこではこの風車の問題とかって出てないんですか?

市長: 今のところはないですね。具体的に事業計画も上がってないし。当然、物部川関係者もいるので、それは言っているんですけど、まだ、事業規模とかわからないので、(話題には)出ていないですね。ただ、その濁水会議っていうもの自体はダムの話が大きい。どうしても永瀬ダムの堆積土砂の話ですよね。じゃあそもそもどうしてそうなったのって言ったら、山が荒れているからっていうところはみんな一致していて、シカの食害とかで、腐葉土の話もそうなんですけど、下草がなくなると、土砂がそのまま剥き出しになるんで、雨降ったら流れるよねと、そんな話はあるんですけど、まだ風車っていうところまでは(議論が)行っていないですね。

 

井澤みく: この間、物部で開かれたGFの事業説明会に出たんですけど、その時に地元の、もう90歳近いおじいちゃんが、この場所は、ダムも作られて、太陽光も建てられて、この後に風車が来たら、もうなんかとんでもないことになるみたいなことを話していて。そこの場所って雷が結構よく落ちるらしくて、それの心配もあったりとか。その地元のおじいちゃんが言っていること、感覚的に思っていることって、数値ではないですけど、やっぱり根拠があるというか、そういうのがある気がしていて。谷相のおばあちゃんにもこの話を最初にした時に、あ、それはもう山がダメになるね、みたいなことをすぐに言われたので。これは本当に、論理とかそういうことじゃないけど、そういうふうな、根拠はないけど、感覚的に地元の昔ながらの人が思っていることっていうのは、すごい私にとっては根拠があるなって思っているので。

市長: そうですね。まあ、自分もそういうふうに思っていて、今回の話っていうのは非常に大きな反対運動だという風に思っています。それは何かっていったら、理屈よりも共感の方がすごく早くて、みんなそうだよねっていうことで、地区ごとにまとまったっていうこともあるので、やっぱりそういうところやと思います。だからまあ、当たり前でしょって思っている人から見ると、行政の対応がすごく遅く感じるのかもしれないんですけど。冒頭にも言った通り、うち(市)に関してはもう共感はしているんですけど、それは理屈で反対していかなきゃいけないっていう思いの中で、今意見書を出して事業者から回答を待っているっていう感じです。だから、うちの職員にも賛成派が多いかと言ったらそうではなくて、当然地元の職員もいっぱいいるので。ちょっとずれはあるかもしれんけども、これはもうお許しいただかんといかんのかなとは、思っていて。だからなんでしょうね、理屈で来られたらやっぱ理屈で返すっていう感じ。共感はしているけどっていうことです。はい。

井澤みく: その物部の説明会の時も、GFはあの代替案っていうか、貯水池を作るとか、色々言っていたんですけど、でも私はそれを聞いた時に、あ、さらに何か人工物を作るんだ、って思ってしまって、それが本当に代替になるのかっていうのが疑問っていうか、ちょっと不信感の方が強いかなって今思っています。

市長: そうですね。自分本当同感ですから。昔の山の形を戻せたらいいよねっていうところもあると思うので。今、香美市でもやっているのは、広葉樹をですね、渓畔林っていう形で、川の近くで、経済性が無いところはそういうふうに、広葉樹を植えていこうとか、色々そこ、まあ分けているんですね。ゾーニングって言うんですけど、経済性があって森林組合が木を伐採しながらやっていく場所ならば、そもそもそういうふうには向かない。で、それは何かっていったら道がつけにくい場所。だから高知県って本当に川の際際(きわきわ)みたいな、ようここに植えたねっていうところまで植えているんですけど、そういうところはどうしても崩れたりするので、そこはちょっと分けて考えようっていう流れにもなっていて、まあ緩やかにですけど、元の自然林に戻していきたいっていう思いはあります。それでも、当然林業で生活をされている方もいるし、そこは共存はすごい大事ですし。まあ、自分は知り合いとかもね、林業をやっていた。猪野々とか。林業でね、森林組合にお勤めの方もいらっしゃったと思うし、そこら辺はなかなか、(林業がダメとは)一概には言えないところもある。はい。

 

[0:38:34]

早川ユミ: 今回先生たちと1号ポールと5号ポールが建っているっていう山を登ったんですけれど、何でしょうね、あの、最初に大豊側から登った奥神賀山っていうところから真下に見たところに大栃が見えて、だから大栃の町中から見たら奥神賀の、その神様の山って言われる、手をつけちゃいけないってさっきおじいちゃんが言っていた山のてっぺんに見えてくる。で、鉢ヶ森の方もその下流域がちょうどね、帰ってくる時に日ノ御子川をだーって下ってきて、もう子供が日ノ御子川で何百回と飛び込んで泳いだ川なので、すごいその親しんだ川が多分濁流で、今でもね、結構崩れていますけれど、崩れるんだろうなっていうのと、あと2日目に、谷相の人たちが遠足に行っていたっていうゴトゴト山っていうところにも、初めて行ったんですね。谷相小学校最後のPTA会長をやらしてもらって、でもゴトゴト山の話は聞いていたけど、一度も行っていないところだったんですけれど、本当に歩くとゴトゴト、もう岩だらけで音がするんですね。で、そこは住民説明会の時には公園みたいにして残せるみたいな話をGFはしていたんだけれども、まさにそのゴトゴト山ですよね、今、(風車を)建てようとしている場所。それと、松尾越が水源で、今田んぼをやっているんですけど、お水は松尾越から来るんだろうなって思われる。そこが大きく変わってしまうと、その水が本当に来るのかなっていうのが(心配)。谷相の人たちが一番にまりちゃんが声をあげた時に「反対しようや」って皆さんが言ってくださって、私移住して30年ぐらいなんですけれど、すごい感動しました。こんな若い人が言う言葉をその村の長老たちが、「言ってくれるんだから、わしらも協力しよう」みたいなことを言ってくださった気持ちが嬉しくって、谷相に住んで良かったなってすごく思ったんですね。(風車の計画地は)近いんですよね、結構行ってみると。5キロ先だから、うんと遠いところに建つのかなってイメージしていたら、実際車で行ってみたらね、本当に近くて、ちょっとびっくりしたんですけれども。ぜひ足を運んでいただいて、じかに奥神賀の山は、あ、神様がいる山だなって、なんか雷がね、そこに落ちる場所らしくて、そういうところに足を運んでみると、すごいあの、山の感動があるし、ここ壊してまですることかなっていう。今全国でね、あの、私展覧会で全国行くんですけど、こないだ福島に行ったら、福島でもそうですし、宮城県でもそうですし、風力発電の巨大な再エネの実態を聞いて、やっぱり100、同じ加美町っていうとこなんですけど、宮城県は、100何十基が建とうと、ぐるりをね、ほとんど、村のぐるりを、町を囲んで建つ計画を止めさせたとか、そういう話をどんどん聞くので、やっぱりいち早く手を上げて、香美市は本当に住みよくって暮らしやすい、暮らしが守られている土地なんだよっていうのを、市長自らが打ち出してくださると。

市長: そうですよ。みんなに怒られる。だからまあ、自分もね、猪野々のね、うち母親猪野々の人やし、それこそね、地元の方から怒られるけど、難しいんですよね。だから感情で走ってしまうと、それはそれでよくないのかな。多分同じ人と自分は話しているし、分かるんですけど、冒頭言ったように理屈は理屈で返さんといかん世界ではあって、それをやることによって、市長がなんぼ替わろうが、それはちゃんと行政手続きになるので、そこはまあ細かくやっているんですけど。ようわかるんですけどね。(若い人が長老の方から)共感されたっていうことやと思うから、それは自分も、誇りに思うというか、嬉しいです。地元のことをね、将来にわたって考えてくれている若手がいっぱいおるっていうことは、すごくありがたいなと思っています。

副市長: もう1つ、知事が解除するかどうかの判断するときに意見を聞く相手として、市町村長と直接の利害関係者があるんですね。それはそこに山を持っていて木を持っていてという方なので、そちらの共感が得られると、プラスにはなると思うんですよね。

井澤みく: 地権者の方ですよね。

副市長: そうです。

副市長: 地元の長老さん方の共感を得られているということであれば、どこに(風車が)建つのか分かりませんけどね、そこを持っていらっしゃる方に、こういう懸念があるんですけどどうですか?っていう話をされてもいいのかなと思います。

環境課長: そこはおそらく地権者さんであったりとか、周辺の自治会にも話が及んでくると思うので。

副市長: (直接の利害関係者が)「よく分からないので何も言わない」というのが一番まずいと思うんで。

 

[0:45:00]

小野麻里: 大豊とやりとりはあるんですか、香美市は。

市長: 個人的には、自分も町長とはやっているんですけど、大豊もすごい反対運動があって、それは何かっていったら香美市の方が早かったんですよ。香美市側から言われて、え、そうなんや、ってなったんですよ、大豊の方は。そういう意味で言ったら、香美市すごいなと思いましたけど。大豊はだから、同じような、形、意識なので、大豊が賛成するっていうこともないです。だから向こうの町長とも、そこは、確認できていると思うんで。

副市長: (環境課長をみて)(大豊町の)役場はどうなんでしょうか?

環境課長: 役場も同じ形やと思います。住民さんの同意がなかったら、そこはもう開発とかはできないよっていうことは、あの町長さんの方も、議会の方でも発言をされていますので、それについては同じ立場だと思っています。

小野麻里: じゃあ今の感じだと、その県知事の意見はどんな感じなのでしょうか。

市長: 今の感じだったら多分保安林解除はできんと思う。

小野麻里: あー。

市長: 多分、そこまでは(保安林解除の手続きまでは、まだ)行ってないですよ、行ってないので(知事の)判断っていうところですけど、今の感じでいくと全然もうかからない、土佐弁で言うとかからんみたいな感じで、もう門前払いみたいなぐらい。

小野麻里: うん。

市長: うん。だから賛成する理由がないですから。

小野麻里: じゃあもう香美市とか大豊に訴えるってことは、もうそこまで私たちは…

市長: 訴えたらいいと思うし、まあ色々ね、やっているっていうことをみんなに伝えることは大事。

小野麻里: どこに注力すればいいのかなって、それのエネルギーがあるんだったらもっと県に訴えた方が、いいのかなとか

市長: まあどちらにせよ、持久戦に持ち込まれているのかもしれんのですけど、事業者側の対応を待つっていうスタンスなので、短期決戦ではないんでしょうね、これって。だから、事業計画(のスケジュール)を見ていただいたらと思うんですけど、かなり長いんですよ。だから逆に息切れしないってことが重要かもしれん。力を込めて全力で今走る時でもないのかもしれん。

小野麻里: 理屈は理屈で返すっていうので、具体的に戦える理屈ってのをどういう(風に考えたらいいですか?)

市長: やっぱり保安林でしょうね。保安林を解除するにはこういう理屈っていう、だから保安林って元々何のためにあるんですかっていう話。山を守るためのことなので、じゃああなたたちがやっているのは、山を守ることができていますかっていうところはやっぱり(確認しないといけない)。結局保安林解除しなかったら事業自体が止まってしまうっていうことは、皆さん方がまずご指摘されたことで、その通りなんですよね。

市長: だから山を守るっていう法律の趣旨、自分が聞いた時には、自然エネルギーを増やさんといかんっていうところで、保安林がネックになっているっていうことで、制度改正で保安林も活用できるってなったんですけど。けどまあ、それは最近の話なので、山を守る、国土を守るっていうのは国の大事な仕事としてあるので、趣旨に則って、何もおかしいこと言ってないわけですから。

市長: 自然エネルギーも大事だけど山を守らないといかんですよね。

鎌田誠市: 業者の理屈だと、この前大栃で説明会に行った時に、「地球を守るためにある程度山の犠牲も必要」、みたいな、「僕たちは地球を守るために」、「地球が温暖化で危ないから」、そういう理屈をずっと言っていました。

市長: 正義感ですね。それはそれでね、理屈は分かるんですけどね。だからまあ、言うたらいろんな技術革新っていうのがあって、本当に水素エネルギーとか、自然環境に全く影響を与えないような技術開発とかっていうのがあれば、進んでいくかもしれないですし。また、そもそも電気、今実は電気の需要って伸びているんですよ、都会は。それはデータセンターっていうやつなんですけど、要は、インターネットとかAIとかが発達してくると、コンピュータ処理のための、パソコンが使う電気がいるっていう話で、都会にどんどんできて困っているみたいな自治体の長とかもいるんですけど。じゃそこも電気をまかなうために、便利にするために電気が必要だみたいな、なんかちょっと変な話になってきて。そういうところも早川さんの思いを世の中的に伝えていって、「何のために生きているんや」みたいな。「便利になっているようやけど地球も破壊しているんや」みたいな。政治の話というか、大きな話ですよね。環境破壊しているのがなんでって言ったら、「もうちょっと生活のあり方を変えたら、必要ないんじゃないですか」みたいな世界でもあると思うし。すごい大きな話ですけど。皆さんはそういう生き方の面で最先端なのかも知れないですよね。 だからね、都会のデータセンターのためにね、地方が電気作るってのも変な話だとは思いますけど。

副市長: 理屈にしにくい、奥神賀山ってこういう山だよとか、行政で書きにくいところがあるじゃないですか。それは逆に皆さんでまとめて、こういう理屈で反対なんですっていうのを。これは逆にこっち(市)ではできないんで。

市長: それはそうかもしれない。共感っていうのは広げていけると思うので、自治体に言うっていうより「共感を広げていくことに注力する」っていうか。「そもそも日本ってこれでいいんでしょうか」みたいな。それ大きいことかもしれないですけど、2人もずっとね色々やられてきましたし。「今のままじゃいかんよね」っていうのは何となくみんな思っていて、それがこういう発電(風力発電への反対)となったら湧き起こるんですけど、他にも色々ね、あると思うんですよ。都会に人口集中しすぎるのも変だし。集落ごとに生活があって、そこにある棚田とかが守られる日本の方が本当はいいんですよ。だから米問題も変な話で、日本に米がないから輸入せんといかんっていうのもなんかおかしいですよね。なんかおかしいんですよ。それがたまたま風力発電によって世の中に見えているっていうことやと思うけど。ま、香美市はそういうところかなと思っているんで。いろんな意見があって、みんなで議論してくる。だから自分は、スタンスとして、(私に)会いたいという人にはみんな会うし、いっぱい怒られてTVにも時々出ますけど、それでもスタンスなのでね、しょうがないです。だから共感はしている。冷たいようやけど、反対運動を自分が引っ張っていくような形ではやるべきでもないのかなと思っていて、自分の仕事は理屈で返すのが仕事かなと思っているから。気持ちは通じていると思っているんですけど。そんな感じです。

 

鎌田誠市: 中止までに、そんなに急がなくてもいいっていう話だったんですけど。

市長: そうですね。急がなくてもっていうのはまあ(そうだと思います)。

鎌田誠市: 焦る気持ちというか、皆さんも、遅くなるほど、業者はどんどんそこにコストをかけているから、どんどん止めにくくなっていくんじゃないかとか。

市長: そうですね。そこに関しては、事業者の状況は探りを入れてみますけど、ただ一番お金がかかるのって設備投資のところなので、調査費っていうのはだいたい人件費でいけるので、そこまでではないとは思うんですけど。ただ、もう建てるってなって、例えば発注しますとか言ったら、何十億っていうお金になってくると、それはもう引くに引けんになると思いますけど、(まだ)そこまででもないとは思っていますけど。

市長: (環境課長をみて)まだ聞いてないでしょ。

環境課長: その段階は本当にアセスが、最後まで、評価書まで完了して、なおかつ経済産業省の方からも、この事業を確定ですよっていう通知も要りますし、それ以外の許認可の手続きもいるので、それが来てからまた改めて保安林解除の手続きに入っていくので。そこまで行かないと到底、設備投資というのはまだ、着手ができない段階ではないかな、と思っています。

市長: だから、今の段階ってものすごい早い。

環境課長: 今、配慮書が終わって、この配慮書に対して市が意見を提出しているので、今お配りさせてもらっている、市のご意見や、全国各地から、206件にも及んでいる意見書も提出されているので、それに対して次の方法書にどのように反映しているかっていうところを見極めないと、先ほどからの市長、副市長が申し上げている「理屈で返していきたい」っていうようなところになってくると思っています。

環境課長: 本来だったら、方法書とか、次の準備書、評価書とかって、だいたい1年ぐらいかかるって聞いているんですけど。去年の11月でしたもんね、配慮書が。なので、「この秋口とかから、縦覧始まるんですか」っていう問い合わせもさせてもらっているんですけど、「それは到底無理です」っていう答えも頂戴しています。それは先ほどから申し上げている206件の意見書への対応もそうですし、「今市民の皆さん方がこういって不信感とか不安を持たれているので、まずはそちらの皆さんへの説明責任を果たしていく必要があると思っています」と。それからの次のステップに移行するので、「早くても来年以降」っていうのは聞いています。

市長: だからまあ、取り返しがつかん、ていう状況ではないっていう、全然。事業者の方も(まだ)やめられるし、という形なので、引くに引けないっていう状況とは感じてないです。

 

[0:55:55]

村上千世: ちょっといいですか?風力発電に限らず、太陽光とかも、結構、業者からの問い合わせがあって、私、農業委員会のメンバーに入っているんですけど、それで仕事が煩雑になるって、農業委員の人たちから聞いているんですけど、だから市として、ビジョンはこうで、香美市はこうなっていくんだっていうのがはっきりしていれば、門前払いできて、いちいち検証してそれに対して返事をしていくっていう、煩雑な仕事っていうのは、もともとしなくて済むことなんじゃないかと思うんですけど、そういうことはできないものなんですか?

市長: ちょっとそこ研究してみます。農業委員会とも研究してみますけど、ある意味同じことを何回も何回も繰り返しているっていう状況やと思うんで、それは鋭いご指摘やと思いますから。

村上千世: 徳島県とかは、もうそういうのはいらないっていうふうに、知事が宣言したっていう話を聞いていて。風力発電とか太陽光パネルみたいなものの大規模開発っていうのは、もう県としてはやりませんよっていうのを、打ち出したっていう。そうすると、それを、向こうが方法書を出してくるのを待って、それをまた職員の人が検証して細かく文章を作ってまた反論してみたいなやり取りは、まあ言ったら私はやらんでいい仕事やと思うんですけど、それを生み出さんで済むんじゃないか?

市長: そうですね。そこはちょっと研究をしてみたいと思います。で、なんでしょうね、その太陽光パネルみたいなところも、土地の所有者でやりたい人もおるかもしれんので、そこの意見も聞いてみないといかんですけど。ただ今、採算が合わないというか、合いにくくなっているっていうのは事実やと思うし、廃棄するパネルがどうなるんやとか、トータルコストで言ったら合わんっていう状況もあると思うので。そこも含めて、農業委員会に今やっていただいている仕事が、どれだけの業務量になっているかちょっと確認をして、やれるんであれば門前払い、っていきたいですね。

村上千世: 愛知県の豊橋市とかはもうそういう基準を、豊橋市自身が持っていて、業者にまずこれ見て、これクリアできないやつはもうはなから行かんからっていうふうに基準を投げていて、だから細かいやりとりっていうのがそこで発生しないようにって。

市長: (環境課長をみて)それ調べてみますか。うん、ちょっと調べてみます。はい。

村上千世: ということを農業委員の職員さんに聞きました。

市長: ちょっとそこは。受け付けはどこですか、環境課ですか、受付窓口は。いきなり農業委員会に行っているのか。

環境課長: 多分土地が農地(なので農業委員会事務局に行っている)んですよね、きっと。

村上千世: 農地の件が農業委員会に行っていて、そのほかの件はほかの部署に行っているのかもしれませんけど。

市長: ちょっとそこもまた調べてみます。どういう窓口になっているのか。そもそも、農業委員会に行く前にフィルターみたいな形になっていれば、農業委員会の負担も少なくなると。

村上千世: 私の友達も農業従事者が多いんですけども、やっぱりすごく気になるけど、今もう田んぼのことを何しろしなきゃいけなくて、こっちの活動に参加できなくてごめんねって言われるんですけど、でももうそういうの辞めたいわけですよ。だから、もうちょっと、そういう仕組みができれば、職員さんの負担も少なくなるし。

市長: いいご意見いただきました。

 

[0:59:20]

早川ユミ: 条例化したという市町村もあるんですけど、そういう条例化は。

市長: 景観の条例を四万十市とかが作ったと思うんですが、四万十川の流域で大規模な太陽光ができたら、それは観光とか、またダメージあるんじゃないですかってことでやったと思いますし、それもやっぱり反対運動とかそういう形でできたと思うんで。ただ、香美市は繁藤にでっかい太陽光発電とかがあったりとか、全否定はしにくい過去に作った事例があるんですけど。景観とかどこに作るのかとかそこは網がかけられるのかもしれないので。そういう条例は、禁止する条例ではない気がするんですけど。景観に配慮しましょうとか倫理条例的な感じなのかもしれません。

広吉敦子: そういう市民側から条例要望みたいな(ことはできないのか)。

副市長: 条例に関しては作れるのは、市長部局っていう、うちか議会なんですよね。で、議会がパワハラの条例作ってくれているんですけど。だから議員も作れるので。

広吉敦子: 最短だとどのくらいで?

市長: 最短はもう議会ごとに作れる。うちやったらいつでも条例の提案はできるんですけど、ただその条例作るって結構難しくて、自分も条例作ったことあるんですけど、法律に違反しないとか、法律と矛盾するようなことになったらいかんとか、色々あるんで。よくあるのがよその条例をパクるってことなんですよ。だからよその条例をそのまま持ってきたら大体使えるって、そういうのが多いんで。うちで作るとしたら、景観条例かなんかになっているんじゃないかと思いますけど、四万十市の条例を、うちに直してやることはできると思うし。条例作って、それでどれだけ効果があるかってところはあるとは思いますけど。

 なんか難しいんですね。風力発電も小さいやつに関しては公営企業局っていって甫喜ヶ峰とか。あと近くで言ったら野市の方にもあったんですよ。けど採算合わないんですよ。風力発電って。雷が落ちるんです結構。止まってしまって、外国製なので部品取り寄せる間はずっと止まっているとかで、香南のやつもやめました。確か、甫喜ヶ峰もやめたんじゃないですか。

環境課長: また新たな風力発電所を四国電力が作っていますね。

市長: 色々なんですよね。自然エネルギーって日本では難しくて、洋上風力もちょっと難しいよね、って最近なり始めたし。エネルギー問題って日本の宿命というか、難しいですね。日本でエネルギーをどう確保するか。

 

村上千世: 小水力は市としては進めてないですか?

市長: 自分はね思いっきり進めていたんですよ。今小水力があるのが、山田堰の井筋土地改良区っていうところが、楠目小学校の下で小水力発電やっていますね。あれはチェコ共和国の水車なんですよ。自分、県議会の時にそれこそ農業基盤課っていうところに持っていったんですけど、やらんっていうんで、南国の溝渕健夫さんっていう、ま、長老と一緒に話して。土地改良区も受益者が減って賦課金っていうお金が入らんなるんで、自前のお金が欲しいということでやり始めたんですけど。ただあれゴミがどんどん来ると、取るので結構お金がかかって大変やってことで、(今苦労しています)。

村上千世: 上水の、言ったら簡易水道がうちの上にもあるんですけれども、そういうところってもう、あらかじめそういうチリを取り除く処理がされると思うんですけど、そこから集落の方に流している水路があると思うんですけど、それに(小水力発電を)つけているところが結構全国にあって。それを進めてもらえたら、私もその田役でも水路を維持できないっていう現状があって、簡易水道の水源維持と農業用水路の維持と小水力発電を一緒にできないんだろうかっていうのをすごく最近気にかけているんですけど。

市長: そうですね、その(山田堰土地改良区の)マイクロ発電とか小水力発電っていうのは、それなりにでかいんですよ。億かけて作っているんで。そういう田役とかその水路にあるので安定してずっと水が流れ続ける水路っていうことでは多分色々なところで、那須塩原とかは有名やと思いますけど、やっているんですよ。ただそれがどういうお金の流れかとかはなかなか難しくて、その水路もずっと流れ続けないといけないとか、メンテナンスに手間がかかるとか。蓄電技術があればずっと貯めといて使ったらいいんですけど、なかなか日本の蓄電技術はそこまでじゃないんで。結局太陽光発電とかで結構捨てているというか、電力(会社)も買ってくれないとか。技術革新があれば面白いんですけどね。田舎でね、小水力でお金を貯められたらね。自然エネルギーで自家消費、ちょっとそこはまだ勉強不足ですけど何かいい方法があれば。

村上千世: 近くで使うものを近くでつくりたいですね。

市長: 自分が覚えているのが、伊勢川、土佐町に大工さんがおったんですね。自分は営業で行っていたんですけど、そこはね、自分で電気を作っていたんですよ。電気を作っていて、電気は多分ね、許可制か何かで、いいのかどうか分からんけど、そのおんちゃんに聞いたら、「四国電力は電気通すのが遅かったから自分で作った」って。元々は飛行機の整備とか、戦時中にそういうのをやっていて、すごい電気に詳しかったんでしょうね。だから高知の田舎って自分で電気作って、四国電力が来る前に。それを覚えているのは、常に電気が点いているんですよ。煌々と。電気を消費し続けないといけない、やったかな。それなんか水力でつけていましたね。すっごい強烈に覚えています。できんことはないです。本当に。

村上千世: すいません。お昼の時間にはみ出してしまって。

市長: いえいえ、とんでもないです。ま、あの、政治家としては一緒に頑張りましょう、なので。

 

以上